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健康経営コラム

心理的安全性につながる職場での支援


ストレス対処行動(コーピング)に続いて、職場でできるサポートで心理的安全性につながるものをご紹介します。

目次

職場によるサポートの内容

個人のストレスを弱めたりなくしたりするためには、周囲からのサポートが欠かせません。周囲からのサポートをソーシャルサポート(社会的支援)といいます。私たちは生まれてから現在まで様々なソーシャルサポートを受けています。一般的に、ソーシャルサポート源は配偶者(恋人)、家族、友人、医師や看護師などの健康管理のプロの順に重要とされていますが、仕事上のストレスはサポートする上司や同僚が配偶者たちより重要という考えもあります。

ソーシャルサポートはストレス低減に直接的に効果を及ぼしたり、他の対処行動の効果を強めたりすることができ、私たちのストレス予防の重要な要因です。そして職場におけるサポートの目的は、社員のメンタルヘルスを維持して組織の利益を確保するということだけでなく、メンタルヘルスの向上を支援し、仕事を通して個人が自己実現に向かえるように働きかける積極的な役割をも担っています。そのため、サポートの内容は多岐にわたります。しかしソーシャルサポートは大きく分けて以下の4種にまとめることができます。

1)情緒的サポート

「やる気」を起こさせ情緒的に安定させることを目的としたサポートです。声を掛ける、傾聴する、慰める、励ます(「大丈夫」「何とかなるさ」「もう少しの辛抱」「みんながサポートする」など)、笑顔で対応する、真摯に受け答えをする、丁寧に対応する、見守るなど共感的な態度が情緒的サポートに役立ちます。

ギスギスした雰囲気よりも受容的であることで、情緒が安定してやる気が起こりやすくなります。

2)情報的サポート

問題解決に役立つ情報を与えるサポートです。悩みや困難な立場にあることなどについて、上司や同僚によるアドバイスによって的確な指示や解決法を与えることは、ストレス要因を取り除くために必要なサポートといえます。情報的サポートは問題が生じた後だけでなく、予め問題が生じないように忠告する予期的状況でも行われます。アドバイスは経験豊かな人が行えるものですが、情報的サポートは会社の先輩だからできる大切な情報資源です。

<具体例>
・相手が知りたいことを理解し必要な知識を与える
・助言する
・処理すべき事柄を整理し提示する
・困難を予期する
・研修を行う
・専門家を紹介する

3)道具的サポート

問題解決を直接的に進めたり、実際にその手助けをするサポートです。多量の仕事を一緒になって片付ける、処理効率を上げるために新たな機械を導入する、人員を増やすといったことが該当します。

4)評価的サポート

仕事ぶりや業績など適切に評価するサポートです。自分の行ったことについて周囲から認められれば、誰しも自己評価が高まり心理的に安定します。やる気も出てきます。メンタルヘルスにとって、適切な人事考課は評価的サポートとしての働きを担います。

<具体例>
・努力を評価する
・ほめる
・承認する(感謝、労いの言葉など)
・処理できた仕事や成長した点などをフィードバックする
・適切な人事考課

その結果、自信が深まり、今後のことについて積極的、前向きに行動を起こせるようになります。


ソーシャルサポートが与えられている場面は数多く見ることができます。部下への指示や仕事へのほめ言葉あるいは慰め、同僚との共同作業、研修、昇進など。しかし、もっと日常的なうなずきや相づちもソーシャルサポートであり、その方がすぐ実践できる上に効果も期待できます。なぜなら相手に心理的安全性につながり、情緒的な安定に役立つからです。逆に、仏頂面をしたり命令口調ばかりだとしたら、いくら直接的に道具的サポートを多く与えたとしても、個人のメンタルヘルスによい影響は与えないことが多いでしょう。

サポートする立場にある上司、あるいは経営者は情緒的サポートを行いつつ、情報的又は道具的サポートを提供し、その経過や結果において評価的サポートを行うという包括的なサポートに努めることが必要です。

部下や同僚をサポートするにあたって注意する点があります。ソーシャルサポートの目的は、サポートを受ける個人のメンタルヘルスを維持させたり向上させたりすることです。しかし、いつでもどこでも即座にサポートを提供することは、個人が主体的に問題解決に向かう動機づけを失うことにつながる場合があります。ソーシャルサポートは個人が努力している中で、その努力がより効果を発揮できるようにする支えであり、個人がメンタルヘルスを自律的に管理できるようになるためのバックアップであることを忘れてはなりません。

また、サポートは一方的なものではないことも覚えておく必要があります。サポートされる人が他の人のサポート源として機能し、2人がお互いにサポートし合うという双方向のサポートシステムが成立している場合もあります。「私がサポートの提供者であなたは受益者」という役割意識が強い場合、貸し借りのような上位・下位の関係ができてしまい、サポートは長く続かないでしょう。たとえ上司として部下をサポートする責務があるとしても、部下もまた上司を盛り立てるようにサポートしていることを忘れてはなりません。部下からのサポートいかんによって、上司は胃に穴をあけることもあるわけですから。

部下の適性に合わせたサポート

メンタルヘルスが損なわれないようにサポートする場合、やみくもに行っては効果的ではありません。サポートが必要な個人の仕事上の適性を考慮して的確にサポートする必要があります。適性とは、現在の仕事において処理のムラが少なく一定の効率のよい状態を保てる才能や技術の程度のことです。才能は生まれつきの知的能力に加えて生活経験による知識の蓄えであり、技術は仕事を遂行するために必要な対人関係スキルや、興味や志向を含んだ価値観に基づいた活動性といえます。

ただし、適性という言葉はかなり幅広い意味を持っており、ある職場では適応できなくても他の職場ではそうではないということも数多く見受けられるように、一概にあの人は適性があるとかないとかの判断はしがたいものです。そのため適性を測る方法として、現状に対する適応状態の善し悪しとして理解することが概ね妥当と考えられます。

そこで個人の適応状態とサポートの仕方について考えてみます。

適応状態が好ましく、現在の仕事に適性があると判断される場合

通常はサポートの必要はないように思えます。確かに現状に問題なく適応できるだけの適性を持っているはずです。しかし、心理学用語で「過剰適応」という言葉があります。現在の状況に適応するために無理をして(過度に)適応を図っている状態をいいます。親や教師の前で常に優等生であろうとしている子どもがそうですが、大人でも職場で同様の著しい努力を傾け続ける人がいます。人は新たな刺激に対して身体生理は適応へ向かいます。一時は頑張って適応状態を保ちますが、その状態が長く続くと最後は疲憊して死に至ります。職場適応も同じことです。バリバリ頑張って職務に専念している人は過剰適応状態になっているかもしれません。またストレスの特徴として、本人がストレスを溜めていることに気づかずにいる場合が少なくありません。そして最悪の場合、突然死ということもあり得ます。

サポートする者としては、絶好調に見える人でも無理をしていないかという視点で見直すことが必要です。例えば、連日終業・帰宅時間が遅くないか、自分のペースで物事を運びすぎて周りから孤立していないか、同僚との会話が少なくないかといったことに注意してみましょう。このような人は頑張ることへの評価的サポートをしつつ、仕事を他者に分担するという実体的なサポートを考えた方がいいかもしれません。情緒的サポートはソーシャルサポートの基本ですが、過剰適応者には励ましばかりを与えることは逆効果になる場合があります。適応性が高い人でも仕事で無理をしがちであり、頑張ることができる人に注意が必要といえます。

職場への適応性で大きな問題はないものの、最近元気がなく俊敏な反応が減少してきている場合

明らかに不適応状態に向かいつつあると判断できるでしょう。一時的な状態であればよいのですが、1週間以上続くようであれば要注意です。過剰適応の力が効かなくなってきたときの特徴でもあります。この場合は情緒的サポートによって安心できる時間と場所を与えると共に、ペースを落とすことの必要性を情報として伝え、他者との協力で処理できるように道具的サポートを提供することが望ましいでしょう。また、その人の頑張りについては評価することも忘れてはなりませんが、評価されることが強化因子となって、調子が悪いにもかかわらずもっと頑張ろうとすることもあるので注意が必要です。

職場への適応性が悪い場合

今までの適応状態を考慮する必要があります。以前はそうでもなかったと思える人なら、いよいよ燃え尽きてきた可能性があります。強力なサポートが必要な対象です。最初から適応できない人には、たとえば配置転換という具体性を持った道具的サポートを考えてみることになります。その際、本人は新たな環境に向かうことに挫折感や怖れを抱くかもしれません。また、適応度が悪く孤立傾向が認められる場合も多くあります。そのため、情緒的なサポートを最大に提供すべきです。適応できなかった(適性が乏しかった)としても、適応しようという考えはあったはずですから、本人の適応努力については是非とも効果的な評価を与えるべきです。もし、配置転換あるいは心理的不安定などで休職することがあるなら、それらの措置の必要性と妥当性について理解できるように情報的サポートを多く与えましょう。

職務内容に合わせたサポート

土の職務がハードでストレスフルなのかという質問はナンセンスです。先の適性の話において、個人の職場適応について述べたのは、職務内容はどうであれ、ストレスの強さは個人の適応力に影響されるところが大きいということを示しているのです。しかしながら、職務内容に違いがある以上、サポートの仕方にも差異があるという考えも出てきます。

効率上、職務は生産、事務、営業という単位に分かれます。生産部門は品率管理や製品生産などに心血を注ぎますし、事務は人員管理や他の庶務業務に、そして営業は売上向上のためにあらゆる努力を傾けます。これらの大ざっぱな分類をもとにすると、生産分野に従事する人には評価的サポートが重視されるかもしれません。事務分野では道具的サポート、対人関係が影響する営業分野では情報的サポートの必要度が高いと予想することができます。

しかし、やはり個人の適応力の違いがサポートの種類を決定することが多いと思われます。ソーシャルサポートで職務内容を考える場合、適性を考えた配置転換といった道具的サポートに必要な情報源として見る方が妥当と考えられます。



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