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健康経営コラム

受動喫煙対策#26


受動喫煙により、さまざまな病気のリスクが高くなることはすでにご存じかと思います。

職場における受動喫煙対策を効果的に進めていくために、経営幹部、管理職および労働者が、各々役割を認識し、組織的に取り組むことが重要です。
職場における受動喫煙を防止するためには、屋内禁煙、もしくは基準に適合した喫煙室の整備が必要です。

<健康経営優良法人2021(中小規模法人部門)適合基準>
大項目:制度・施策実行
中項目:従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策
小項目:受動喫煙対策(必須)

本項目は、従業員の受動喫煙防止に向け、すべての事業場において、敷地内禁煙、「労働安全衛生法の一部を改正する法律に基づく職場の受動喫煙防止対策の実施について」の「4受動喫煙の防止のための措置」を基に、屋外喫煙所の設置(屋内全面禁煙)又は喫煙室の設置(空間分煙)を行っていることをもって適合とする。

ただし、顧客が喫煙できることをサービスに含めている宿泊業、飲食店等で屋内全面禁煙又は空間分煙が困難な場合においては、上記通達に基づき、喫煙可能区域を指定した上で当該区域において適切な換気を行っている場合も適合とする。

なお、喫煙室等においては、非喫煙場所にたばこの煙が漏れないよう措置を講じていること。また、申請にあたっては、健康増進法の一部を改正する法律による改正健康増進法において求める受動喫煙対策の遵守に向けた取り組みを行うことを、誓約書により誓約することとする。

目次

受動喫煙と健康への影響

受動喫煙とは、室内またはこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることを言います。

たばこの煙には、約5,300種類の化学物質が含まれており、そのうち、発がん性物質は70種類以上とも言われています。有害物質は、喫煙者が吸い込む主流煙よりも、たばこの先から立ちのぼり、周りの人も吸い込む副流煙に多く含まれます。すなわち、非喫煙者は受動喫煙により、多くの有害物質を摂取させられることとなります。

たばこによる健康被害は、国内外の多数の科学的知見により因果関係が確立しています。具体的には、受動喫煙により心筋梗塞や脳卒中、肺がん、乳がん、慢性呼吸器症状、子どもの喘息や呼吸器感染症、中耳疾患、乳幼児突然死症候群等のリスクが高まることが明らかになっています。

厚生労働省の喫煙の健康影響に関する検討会は、我が国において年間約15,000人が受動喫煙により死亡しているという推計を報告しています。なお、喫煙者本人の健康への悪影響を及ぼすリスクはさらに高いことを忘れてはなりません。

厚生労働省の「健康日本21(第二次)」では、健康リスク低減の観点から、たばこ対策の指標として「成人の喫煙率の減少」と「受動喫煙者の割合の減少」等に関する目標を設定しています。

*成人の喫煙率の減少目標
 17.7%(2017年)⇒12%(2022年度)

*受動喫煙の機会を有する者の割合の減少目標
 行政機関 8.1%(2017年)⇒ 0%(2022年度)
 医療機関 7.4%( 〃 )⇒  〃
 職場   30.1%( 〃 )⇒ 〃
 家庭   7.4%( 〃 )⇒ 3%( 〃 )
 飲食店  4.24%( 〃 )⇒15%( 〃 )

職場における受動喫煙対策

1.受動喫煙の防止に関する法律・ガイドライン

2005年に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が発行されました。この条約は、世界保健機関(WHO)の下で作成された多数国間条約で、たばこの消費等が健康に及ぼす悪影響から現在および将来の世代を保護することを目的とし、受動喫煙の防止を各国の責務として定めています。この条約の締約国は、日本を含めて世界181か国(2018年12月)となっています。また、2007ねの締約国会議において、「たばこの煙にさらされることからの保護に関するガイドライン」が採択され、締約国にはすみやかに公共の場での受動喫煙防止対策を実施・促進することが求められています。

日本では、2013年5月に施行された「健康増進法」において、公共施設等の多数の人が利用する施設の管理者に受動喫煙防止の努力義務が課せられました。これによりレストランや公共施設・公共交通機関での分煙ないし禁煙が進みました。また、2015年6月施行の改正労働安全衛生法では、職場における受動喫煙の防止tの雨、すべての事業者が適切な措置をとるように努めることが義務付けられました。

2018年7月に「健康増進法」の一部を改正する法律が国会の承認を経て成立しました。改正健康増進法は今後、段階的に施行され、2020年4月1日に全面施行となりました。今回の改正法では、「望まない受動喫煙をなくす」「受動喫煙による健康影響が大きい子供や患者等に特に配慮する」「施設・場所ごとに対策を実施する」といった基本的な考え方のもと、具体的な規制内容を定めています。これまでの努力義務規定と異なり、喫煙禁止場所での喫煙を罰則付きで禁止し、受動喫煙対策の強化を図っています。

2.効果的な受動喫煙対策の進め方

事業場において効果的な受動喫煙対策を実践するためには、経営幹部、管理職、労働者が受動喫煙対策の必要性と意義を理解し、各々の役割を果たしつつ協力して推進することが重要です。また、担当部署や担当者を決め、年間の労働衛生計画等に受動喫煙対策の推進計画を盛り込むことや、現場レベルで計画推進のための体制を整えるなど、組織的に取り組むことが効果的です。

「健康経営優良法人」の認定基準では、受動喫煙対策に関する取り組みは必須項目となっており、とりわけ経営幹部においては、率先して事業場の実情に合わせた適切な受動喫煙対策を推進する立場に位置づけられているといえます。したがって、経営幹部が受動喫煙防止に関する基本方針を明確に示すことによって、この対策の実効性を一段と高めることが可能となります。

なお、妊娠している労働者(妊娠の可能性のある労働者)、呼吸器や循環器等に疾患を持つ労働者、および未成年である労働者については、健康への影響をより受けやすいことから、格別の配慮が必要です。

3.受動喫煙防止のための環境整備のポイント

職場の受動喫煙防止の方法として、空間全体の「禁煙」と、空間の「分煙」の2つがあります。

「禁煙」喫煙場所を設置せずに全体を禁煙する方法
「分煙」独立した喫煙場所を設置し、その場所以外を禁煙とする方法

効果的に受動喫煙防止対策を行うために、喫煙者、非喫煙者双方の利益を調整し、受動喫煙にさらされないための環境整備を確実に実行しましょう。

<受動喫煙防止のための環境整備のポイント>
①現状及び課題の把握/労働者の意見要望等の情報収集と分析
②具体的な対策の決定/メリット・デメリットの整理
③対策の実施・点検(効果的な分煙のためのポイント)
 ・喫煙室の設備/独立した喫煙室かそれば困難ならば喫煙コーナー
 ・喫煙室の設置場所/人の往来が多い区域から適当な距離をとる
 ・たばこの煙と臭いは屋外に排出/換気装置の設置
 ・職場の空気環境と気流の確保/空気の定期測定で確認

4.健康増進法との関係

労働安全衛生法の適用を受ける事業場が、多数のものが利用する空間を兼ねている場合、施設管理者は施設を利用する者の受動喫煙防止対策に努めなければならないことを規定する健康増進法の適用を受ける点に留意する必要があります。

改正健康増進法による規制に合致した対策が取られていない職場や飲食店等においては、法施行までに、屋内禁煙もしくは基準に適合した喫煙室の整備が必要となります。中小企業等が喫煙専用室等を整備する場合には、厚生労働省より助成等を受けることができます。

5.受動喫煙防止対策助成金(2021年度現在)

厚生労働省は、中小企業事業主による受動喫煙防止のための喫煙室等の設置に対して、費用の2分の1(飲食店は3分の2)かつ上限100万円の助成を行っています。また、下記の相談支援・周知啓発事業や測定支援業務も行っています。

<相談支援・周知啓発業務>
喫煙室の要件、設置への対応など専門家による電話相談(必要に応じて実地指導も実施)など

<測定支援業務(機器貸し出し)>
職場環境の実態把握などを行う際のデジタル粉じん計、風速計の無料貸し出し(希望に応じて専門家が事業場に行って測定方法を説明)など

いずれも詳細は、厚生労働省webサイトを確認するか、都道府県労働局に相談のこと。

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