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健康経営コラム

健康経営と働き方改革の親和性♯4

コミュニケーションの活性化、生産性向上、採用、定着率アップなどの課題をお持ちの企業さまに知ってほしい健康経営のコラム。ビジネスコース兼健康経営エキスパートアドバイザーが健康経営に関する知識・情報や社員の健康づくりに関するネタをご紹介。第4回は働き方改革との親和性についてご紹介します。

目次

健康経営と働き方改革はどちらも労働生産性を改善する手法

2019年4月に施行された働き方改革関連法。働き方改革とは、働く人々が個々の事情に応じた、多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革です。そしてこの改革には「処遇の改善(賃金など)」「制約の克服(時間・場所など)」「キャリアの構築」の3つの柱があり、それを実現するための対応策が19項目あります。その中に「健康で働きやすい職場環境の整備」をはじめとする環境の整備に関する項目が掲げられています。

つまり、健康経営と働き方改革は別物ではなく、働き方改革の土台となるものが健康経営であり、また健康経営を実践するにあたっての具体策の1つが働き方改革と言えます。そして間違えてはいけないのは労働生産性の改善の意味をがむしゃらに働かせるというものではなく、心身の健康を前提に働きやすさと働きがいを高めることで社員個々の能力を引き出すとともに組織力・チームワークを高めていくということを念頭に置かなければなりません。

働き方改革関連法は健康管理の視点が拡充されており、ここでは働き方改革関連法の中で健康経営と関連の深いものをピックアップしてご紹介します。

年次有給休暇の指定義務

年次有給休暇は労働者の心身のリフレッシュを図ることを目的として、雇入れの日から起算して6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に年10日の有給休暇が付与されることが労働基準法第39条で定められています。働き方改革関連法によって労働基準法が改正されたことによって、年10日以上の年次有給休暇(以下年休)が付与される労働者に対し、年休の付与日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが必要となりました。

<留意点>
・年休を5日以上取得済みの労働者に対しては、使用者による時季指定は不要
・時間単位の年休は5日から控除できない
・使用者は、時季指定に当たって労働者の意見を聴取し、
 その意見を尊重するよう努めなければならない
・使用者は、労働者ごとに年休管理簿を作成し、3年間保存しなければならない

厚生労働省の調査によると、平成 28 年(又は平成 27 会計年度)1年間に企業が付与した年休(繰越日数 を除く。)は労働者1人平均 18.2 日(前年 18.1 日)、そのうち労働者が取得した日数は 9.0 日(同 8.8 日)で、取得率は 49.4%(同 48.7%)でした。日本は世界の中で年休取得率が低く、その理由が職場への配慮や本人のためらい等があったため、労働者にとっては年休取得を事前計画し有効活用できる働きやすさにつながる法改正です。

時間外労働の上限規制

長時間労働をすると健康の確保を困難にするとともに、仕事と家庭生活の両立を困難にし、少子化や女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参加を阻む原因となっています。このようなことから労働基準法が改正され、これまで告示にとどまっていた時間外労働の上限が、罰則付きで法律に規定されました。

<留意点>
・中小企業の適用は2020年4月から(大企業はすでに適用)
・時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、原則として月45時間・年360時間。
 臨時的な特別の事情があり、労使が合意しなければこれを超えることはできない
・臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
 -時間外労働:年720時間以内
 -時間外労働(休日労働含む):月100時間未満、2~6か月平均80時間以内
・原則である月45時間を超えることができるのは年6回まで
・法違反の有無は「所定外労働時間」ではなく「法定外労働時間」の超過時間で判断される
・違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)が科されるおそれがある
・事業・業務によって上限規制の適用が猶予・緩和されたり、適用除外されるものがある

コロナウイルス感染拡大防止策として各企業のテレワークやオンラインの導入が増えています。きっかけとなったコロナウイルスは歓迎しませんが、生産性が上がる(ムダ・残業を減らす)働き方に移行するチャンスになっています。

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、一定の期間、予め定めた総労働時間の範囲内で労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることができる制度です。コロナウイルス感染拡大防止策として満員電車での通勤を避けるため時差出勤を行っている企業がありますが、時差出勤は何種類か定められたパターンから選択できるものの、1日の所定労働時間は変わらずフレックスタイム制とは異なります。

<留意点>
・フレックスタイム制の清算期間の上限が1か月から3ヶ月に
・清算期間が1か月を超える場合には、
 ①清算期間における総労働時間が法定労働時間の総枠(週平均40時間)を超えないこと 
 ②1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えないことを満たすこと
 ⇒いずれかを超えた時間は時間外労働となる
・清算期間が1か月を超える場合には、フレックスタイム制の労使協定を
 所轄労働基準監督署へ届けなければならない

フレックスタイム制によってプライベートと仕事のバランスがとりやすくなり、
労働者にとっては公私ともに充実した時間を得られ、ストレスが減る制度ともとれます。

高度プロフェッショナル制度

高度プロフェッショナル制度とは、賃金を働いた時間ではなく成果で決める制度のことです。この制度が適用された場合、企業は時間外・休日・深夜労働に対する賃金への支払い義務がなくなります。しかし、この制度は全ての労働者に適用されるわけではなく、対象者は特定高度専門業務に限られています。

<留意点>
・対象は高度の専門的知識等を必要とし、従事した時間と成果との関連が高くない業務の
 高度専門職のみ(例:研究開発、コンサルタント、金融商品の開発業務など)
・対象は希望する方であり職務記述書等により同意している方
・対象は高所得者のみ(具体額として1,075万円を想定)
・導入の際、労使委員会で対象業務、対象労働者、健康確保措置などを
 5分の4以上の多数で議決すること
・対象労働者が同意すること
・健康確保を措置すること
 -年間104日以上、かつ、4週4日以上の休日確保を義務づけ
 -下記①~④のいずれかの措置を義務付け
  ①インターバル規制+深夜業(22時~5時)の回数を制限
  ②在社時間等の上限の設定
  ③1年につき、2週間連続の休暇取得
  ④臨時の健康診断の実施
 -在社時間等が一定時間(1か月当たり)を超えた労働者に対して、医師による面接指導を
  実施し、面接指導の結果に基づき、職務内容の変更や特別な休暇の付与等の事後措置を
  講じる

健康経営と親和性の高い法令のその他

【勤務間インターバル】※努力義務
勤務間インターバルとは、勤務終了後、一定時間以上の休息時間を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するものです。前日の終業時刻から翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保することが事業主の努力義務として規定されました。EU では24時間につき11時間のインターバルが義務とされており、日本でも11時間を一つの目安としており、時間外労働等改善助成金の成果目標の1つになっています。

【労働時間の適正な把握義務】
2017年に厚生労働省から「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が公表されました。このときは労働時間の把握は責務という扱いでしたが、働き方改革関連法の施行により、労働時間の把握は義務に変わりました。

【労働時間の把握義務の強化】
使用者が労働時間を適正に把握することで、長時間労働者に対する医師の面接指導を確実に実施することを目的としています。働き方改革関連法によって管理監督者や裁量労働制の適用者も含め、すべての労働者の労働時間の状況が客観的な方法その他適切な方法で把握されるように法律で義務付けられました。

【長時間労働者等への面接指導制度の活用】
働き方改革関連法では、特に長時間労働やメンタルヘルス不調などによる健康リスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、医師による面接指導が確実に実施されるよう労働者の健康管理を強化するものになっており、対象者及び面接指導の流れも改正されました。




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